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健康セルフケアアプリと医療機器プログラムの違い|基準と事例を紹介

2021-08-22

・医療機器の該当・非該当の基準とは何か?

・医療機器の該当・非該当の事例を調査するには?

近年、日本国内外でAI疾病診断ソフトウェア、依存症を治療するスマートフォンアプリ、心電図を解析するウェアラブルデバイスなどが医療機器として承認・認証を取得しています。

また医療機器ではない「健康アプリ」は生活習慣に関するアプリや健康観察アプリなど、多種多様のアプリが開発されています。

このようなデジタル技術によって、これまでの病気に対するアプローチが変化しつつあります。

しかしセルフケアを支援するソフトウェアをビジネスにする場合、開発中のソフトウェアが医療機器に該当するかしないによって、要求される規制要求が変わります。

規制対象となれば、開発コストだけではなく、販促の広告や販売経路等が異なってきます。

そこで、セルフケア関連ビジネスへの参入にあたり、開発中のソフトウェアが医療機器に該当するかどうかを検討するために必要な情報を紹介します。

目次

  • 1 医療機器プログラムの該当性の基準
  • 2 プログラムの医療機器該当性判断事例
    • 2.1 1. 医療機器に該当しないもの
      • 2.1.1 A 個人での使用を目的としたプログラム
      • 2.1.2 B 医療関係者が使用することを目的としたプログラム
      • 2.1.3 C 一般医療機器(クラスⅠ医療機器)と同等の処理を行うプログラム
    • 2.2 2 医療機器に該当するもの
      • 2.2.1 1) 入力情報を基に、疾病候補、疾病リスクを表示するプログラム
      • 2.2.2 2) 疾病の診断・治療・予防を意図したプログラム
      • 2.2.3 3) 有体物の医療機器とセットで使用するプログラム
  • 3 医療機器の該当・非該当の事例
    • 3.1 参考資料1. セルフケアアプリの資料
    • 3.2 参考資料2. 健康観察アプリ
    • 3.3 参考資料3. 医療機器プログラム事例データベース
  • 4 まとめ

医療機器プログラムの該当性の基準

3 該当性判断

特定のプログラムが、医薬品医療機器等法の医療機器に該当するか否かは、製造販売業者等による当該製品の表示、説明資料、広告等に基づき、当該プログラムの使用目的及びリスクの程度が医療機器の定義に該当するかにより判断される。使用目的が変われば、同じ機能を有するプログラムでも医療機器該当性の判断が変わる可能性があるため、事業者においてプログラムの使用目的は十分に検討される必要がある。

引用元:プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン
薬生機審発 0331 第1号 薬生監麻発 0331 第 15 号 令和3年3月 3 1 日

医療機器プログラムの該当性判断は、上記のようにガイドラインで示されています。

また既に承認・認証される製品の中に、類似のソフトウェアが存在しなければ、該当性の判断は、次の2点を考慮して判断を行います

(1)医療機器プログラムにより得られた結果の重要性に鑑みて疾病の治療、診断等にどの程度寄与するのか。

(2)医療機器プログラムの機能の障害等が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれ(不具合があった場合のリスク)を含めた総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか。

原則として、上記の基準に基づいて該当性判断を行います。

しかしながら、これらの基準だけでは判断が難しいため、ガイドラインでは詳細情報として、プログラムの医療機器該当性判断事例が紹介されています。

なお医療機器プログラムの該当性判断を戦略的に行うために必要な視点を以下のページで紹介しています。

医療機器プログラムの該当性判断|基本知識から開発戦略まで解説
医療機器プログラムの該当性判断|基本知識から開発戦略まで解説

該当性判断の手順だけではなく、ソフトウェア開発を失敗しないための視点について解説しています。

プログラムの医療機器該当性判断事例

別添1 プログラムの医療機器該当性判断事例
1 医療機器に該当しないもの
2 医療機器に該当するもの

引用元:プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン
薬生機審発 0331 第1号 薬生監麻発 0331 第 15 号 令和3年3月 3 1 日

以下で医療機器に該当しないもの、するものについて紹介しています。

1. 医療機器に該当しないもの

A 個人での使用を目的としたプログラム

1) データの加工・処理を行わない(表示、保管、転送のみを行う)プログラム・個人の健康記録プログラム

・ 患者の健康状態又は治療内容に関する情報を整理、記録、表示するプログラム

2) 運動管理等の医療・健康以外を目的としたプログラム

・ 携帯情報端末内蔵のセンサ等を利用して個人の健康情報(体動等)を検知し、生活環境の改善を目的として家電機器などを制御するプログラム

・ 体動等の生理情報を検知し、エアコン・めざまし時計などをコントロールするプログラム

・ 日常の運動を能動的に監視してその傾向を追跡、行動提案を行うプログラム

・ パズルゲーム又は「脳年齢」テストのスコアを提示するプログラム

3) 利用者への情報提供を目的としたプログラム

・ 製薬企業等が提供する疾患や薬剤などに関するパンフレット等を電子的に提供するプログラム

・ 一般向けの医学書籍等を電子化して提供するプログラム

・ 携帯情報端末内蔵のセンサ等を利用して個人の健康情報(歩数等)を検知し、健康増進や体力向上を目的として生活改善メニューの提示や実施状況に応じたアドバイスを行うプログラム

・ 糖尿病のような多因子疾患の一部の因子について、入力された検査結果データと特定の集団の当該因子のデータを比較し、入力された検査結果に基づき、当該集団において当該因子について類似した検査結果を有する者の集団における当該疾患の発症リスクを提示するプログラム(利用者に診断との誤認を与えないものに限る。)

・ 特定の集団のデータに基づき統計処理等により構築したモデルから、入力された検査結果データに基づく糖尿病のような多因子疾患の発症リスクを提示するプログラム(利用者に診断との誤認を与えないものに限る。)

・ 個人の一般的な健康の維持又は増進のため、健康的な食事、運動、体重管理などのアドバイスを行うことを目的とするプログラム

・ 日常的な健康管理のため、個人の健康状態を示す計測値(体重、血圧、心拍数、血糖値等)を表示、転送、保管するプログラム

・ 電子血圧計等の医療機器から得られたデータを転送し、個人の記録管理用として表示、保管、グラフ化するプログラム

・ 個人の服薬履歴管理や母子の健康履歴管理のために、既存のお薬手帳や母子手帳の情報の一部又は全部を表示、記録するプログラム

・ 個人の健康履歴データを単なる記録のために健康管理サービス提供者と共有するプログラム(診断に使用しないものに限る。)

B 医療関係者が使用することを目的としたプログラム

1) 医療関係者、患者等への医学的判断に使用しない情報提供のみを目的としたプログラム

・ 医学教育の一環として、医療関係者がメディカルトレーニング用教材として使用する、又は以前受けたトレーニングを補強するために使用することを目的としたプログラム(医学的な画像、写真、グラフなどが書かれた質問/解答形式のテストアプリ、解剖図又は解剖動画、手術トレーニング動画、CPR スキルを修得させるための各種心停止シナリオをシミュレーションするアプリ等)

・ 教育の一環として、手術手技の実施状況を撮影し、手術室外の医局等のディスプレイ等にビデオ表示することでライブ情報を共有させるためにデジタル画像を転送・表示させるためのプログラム

・ パンフレット等の代替として、患者へ治療方法等を説明するため、アニメーションや画像により構成される術式等の説明を行う映像プログラム

・ 医学教科書その他参考資料を参照するための検索を行うプログラム

2) 院内業務支援、メンテナンス用プログラム

ア 医療関係者が患者の健康記録等を閲覧等するプログラム
・ 健康診断のため、氏名等の受診者情報、受付情報、検査項目、検査機器の使用状況、問診する医師のスケジュール等健康診断の実施に関する情報及び健康診断の検査・診断データを管理し、健康診断の結果の通知表を作成するプログラム

・ 健康診断の結果を入力、保管、管理し、受診者への報告用データや結果を表形式等に出力するプログラム

・ 保健指導の指導状況を入力、保管、管理し、実績報告のためのデータを作成するプログラム

イ 院内業務支援プログラム
・ インターネットを利用して診療予約を行うためのプログラム

・ 総合コンピュータシステム(レセコン・カルテコン)において、入力されたカルテ情報から情報提供用文書の出力、受付、会計業務、レセプト総括発行等の集計作業を行うプログラム

・ 医療機器の販売管理、在庫管理、入出庫管理、設置場所の管理のためのプログラム

・ 医療機器の添付文書の集中管理を行うため、複数の医療機器の添付文書を保管・表示するプログラム

・ 医療関係者が患者の健康記録等を閲覧するプログラム

・ 医事会計業務のために保険請求などの一般事務作業を自動化するプログラム

ウ メンテナンス用プログラム
・ 医療機器の消耗品の交換時期、保守点検の実施時期等の情報を転送、記録、表示するプログラム(医療機関内の複数の医療機器の使用状況等をネットワーク経由で記録・表示させるプログラムを含む。)

・ 輸液ポンプ等の医療機器の動作履歴や稼働状況を記録・表示するプログラム

・ 内視鏡洗浄消毒器等の医療機器の運転履歴、機器 ID、担当者 ID 等を記録・表示するプログラム

・ 医療機器の時計合わせを目的として、時刻情報を送信するプログラム

・ メンテナンス時に、医療機器の点検機能を起動させるためのプログラム

3) データの保管、転送のみを行うプログラム

・ 医療機器で取得したデータを、可逆圧縮以外のデータの加工を行わずに、他のプログラム等に転送するプログラム(データ表示機能を有しないデータ転送プログラム)

・ 診療記録として患者情報及び検査情報の表示、編集を行うために、医療機器で取得したデータのデータフォーマットの変換、ファイルの結合等を行うプログラム

・ CT 等の画像診断機器で撮影した画像を診療記録のために転送、保管、表示するプログラム

・ 検査項目の入力、表示、出力を行い、患者ごとの複数の検査結果を継時的に保管・管理するプログラム

・ 事前に入力した患者 ID や氏名等のパラメータを複数の医療機器に転送し、設定するプログラム(パラメータそのものは加工せず転送するものに限る。)

・ 診察時に、医療従事者が患者の個人健康記録(健康情報)にアクセス、表示するプログラム

・個人の健康記録を医療関係者が利用できるようにするプログラム

・ 臨床検査結果、医療機器データに関する医療関係者の所見又は医療機器データに関する一般的な背景情報の転送、保存、形式変換、表示を目的としたプログラム

・ 医療機器のデータを内容は変えずに転送、保存、形式変換、表示し、接続されている医療機器の機能やパラメータの制御又は変更を行わないプログラム

・ 入院患者等の医療機器のデータを医師の汎用コンピュータ等に表示するプログラム

4) 診断、治療以外を目的とした、データの加工・処理を行うプログラム

・ 医療機器で得られたデータを加工・処理して、汎用コンピュータ等で表示するプログラム(例えば、睡眠時無呼吸症候群の在宅治療で使用する CPAP(持続式陽圧呼吸療法)装置のデータ(無呼吸・低呼吸指数、供給圧力、使用時間等)を、SD カード等から汎用コンピュータ等で読み込み一覧表等を作成・表示するプログラム)

・ 腹膜透析装置等の医療機器を稼働させるための設定値パラメータ又は動作履歴データを用いて、汎用コンピュータ等でグラフの作成、データの表示、保管を行うプログラム

・ 検査データの統計処理を行うプログラム

・ 予防接種の同意書、予防接種のロット番号を記録し、予防接種の履歴や管理を行うためのプログラム

5) 診断・治療ガイドライン等に従った処理のみを行うプログラム

・健康診断の問診結果、受診者の生活習慣関連情報、生活習慣改善の指導状況、改善状況に関する情報を入力、保管、管理し、生活習慣の改善のために学会等により予め設定された保健指導のための参考情報を提示するプログラム(医療上の指導との誤認を与えないものに限る。)

C 一般医療機器(クラスⅠ医療機器)と同等の処理を行うプログラム

機能の障害等が生じた場合でも人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの

・ 汎用コンピュータ等を使用して視力検査及び色覚検査を行うためのプログラム(一般医療機器の「視力表」や「色覚検査表」と同等の機能を発揮するプログラム)

・ 携帯情報端末内蔵のセンサ等を用いて、体動を検出するプログラム(一般医療機器の「体動センサ」と同等の機能を発揮するプログラム)

・ 「ディスクリート方式臨床化学自動分析装置」等の一般医療機器である分析装置から得られた測定値を転送、保管、表示(グラフ化)するプログラム

・ 添付文書の用法用量・使用上の注意や、治療指針、ガイドラインなど公知の投与量の増減に対応する薬剤の投与量を提示するプログラム(薬物投与支援用プログラム)

・ CT 撮像装置や歯科用の 3D スキャナ等から得られた患者の歯列形状のデータを用いてコンピュータ上で仮想的な歯列模型を表示し、有体物の歯科模型から得られる情報と同等の情報(歯列の現在の形状や歯の位置関係や角度、距離等)のみを提示するプログラム(歯列模型表示プログラム)

2 医療機器に該当するもの

1) 入力情報を基に、疾病候補、疾病リスクを表示するプログラム

1) 入力情報を基に、疾病候補、疾病リスクを表示するプログラム

・ 数学的アルゴリズムを使用して皮膚病変部の画像を解析し、病変部のリスク評価結果をユーザーに提供するプログラム

2) 疾病の診断・治療・予防を意図したプログラム

ア 医療機器で得られたデータ(画像を含む)を加工・処理し、診断又は治療に用いるための指標、画像、グラフ等を作成するプログラム

・ 診断に用いるため、画像診断機器又はその他の医療機器で撮影した画像を汎用コンピュータ等に表示するプログラム(診療記録としての保管・表示用を除く)

・ 画像診断機器で撮影した画像や検査機器で得られた検査データを加工・処理し、病巣の存在する候補位置の表示や、病変又は異常値の検出の支援を行うプログラム(CADe(Computer-Aided Detection))

・ CADe 機能に加え、病変の良悪性鑑別や疾病の進行度等の定量的なデータ、診断結果の候補やリスク評価に関する情報等を提供して診断支援を行うプログラム(CADx(Computer-Aided Diagnosis)

・ 放射性医薬品等を用いて核医学診断装置等で撮影した画像上の放射性医薬品等の濃度の経時的変化データを処理して生理学的なパラメータ(組織血流量、負荷応答性、基質代謝量、受容体結合能等)を計算し、健常人群等との統計的な比較を行うプログラム

・ 簡易血糖測定器等の医療機器から得られたデータを加工・処理して糖尿病の重症度等の新たな指標の提示を行うプログラム

・ 一つ又は複数の検査機器から得られた検査データや画像を加工・処理し、診断のための情報を提示するプログラム(例えば、眼底カメラ、眼撮影装置、その他眼科向検査機器から得られた画像や検査データを加工・処理し、眼球の組織・細胞や層構造について、形状・面積・厚さ・体積・濃度・色等を表示、形態情報との相関比較を行うプログラム)

・ ベッドサイドモニタ(又は心臓モニタ)に接続して生理信号に対して保存、表示又は転送以外の処理(例として、患者の状態に合わせてアラートを出す)プログラム

・ 分娩の進行状況を監視し、子宮収縮データ及び胎児心拍数データに対して保存、表示または転送以外の処理(例として、患者の状態に合わせてアラートを出す)をするプログラム

・ 診断レビューに用いるために使用する画像データを処理するプログラム

イ 治療計画・方法の決定を支援するためのプログラム(シミュレーションを含む)

・ CT 等の画像診断機器から得られる画像データを加工・処理し、歯やインプラントの位置のイメージ画像の表示、歯科の矯正又はインプラント治療の術式シミュレーションにより、治療法の候補の提示及び評価・診断を行い、治療計画の作成及び期待される治療結果の予測を行うプログラム

・ 放射線治療における患者への放射線の照射をシミュレーションし、人体組織における吸収線量分布の推定値を計算するためのプログラム(RTPS(放射線治療計画システム))

・ 画像を用いて脳神経外科手術、形成外科、耳鼻咽喉科、脊椎外科等の手術をナビゲーションするためのプログラム

・ CT 等の画像診断機器で撮影した画像を加工・処理して、整形外科手術の術前計画を作成するためのプログラム

・ 画像診断機器や検査機器で得られたデータを加工・処理し、手術結果のシミュレーションを行い、術者による術式・アプローチの選択の支援や、手術時に手術機器で使用するパラメータの計算を行うプログラム(例えば、角膜トポグラフィ機能をもつレフラクト・ケラトメータで取得した角膜形状データを基に、屈折矯正手術における角膜不正成分を考慮した手術結果のシミュレーションを行い、レーザの照射データを作成するプログラム(屈折矯正手術レーザ照射データ作成プログラム))

・ 患者の体重等のデータから麻酔薬の投与量を検証ができない方法により算出し、投与を支援するプログラム

・ 腹膜機能試験、腹膜平衡試験、体成分分析装置から得られた結果等に基づき、腹膜透析の処方シミュレーションを行い、透析治療の計画作成を支援するプログラム。

ウ 医療機器の制御を行うプログラム、又は、医療機器データの分析を行うことを目的として、医療機器に接続して医療機器の機能を拡張するプログラム

・ 血圧測定用カフの膨張と収縮を制御するプログラム

・ インスリンポンプに制御信号を送信してインスリン投与を制御するプログラム

・ 輸液ポンプの機能又は設定を変更するプログラム

・ 植込み型医療機器(神経筋刺激装置、人工内耳等)の較正、制御又は設定変更を行うプログラム

・ 補聴器から発せられる音の電子音響周波数特性と音響強度の評価に使用されるプログラム

3) 有体物の医療機器とセットで使用するプログラム

3) 有体物の医療機器とセットで使用するプログラム

・血糖値ストリップリーダを汎用コンピュータ等に接続して血糖値計として機能させるためのプログラム

・心電計(ECG)の電極を汎用コンピュータ等に接続して ECG 信号を測定、保存、表示するためのプログラム

・身体の動きに関する情報を収集し、睡眠時無呼吸を監視するためのプログラム

・心臓、動脈、静脈その他内蔵器官から得られた信号(電子聴診器から得られた信号など)を電気的に増幅し音声を生成するプログラム

・心肺機能蘇生(CPR)処置中の生理パラメータを測定し、現在行っている CPR の質に関するフィードバックを提供するプログラム

・眼球運動を記録、表示、分析して平衡障害を診断するプログラム(眼振計)

・聴力検査で使用する音量が制御されたテストトーンとテスト信号を生成し、聴覚障害の診断をサポートするプログラム(聴力計)

・特定の病気によって引き起こされる振戦の程度を測定するプログラム(振戦トランスデューサ)

・睡眠時無呼吸症候群を診断するために睡眠中の生理パラメータ(四肢運動、脳の電気的活動(EEG)など)を測定するプログラム

・慢性呼吸器疾患(COPD)を診断するために血液酸素飽和度を測定するプログラム

・糖尿病を診断するために血糖レベルを測定するプログラム

・各種周波数における難聴を判断するための聴力計として機能するプログラム

上記がガイドラインで示されているプログラムの事例です。

ただガイドラインには事例として記述されていますが、それでも具体的なソフトウェア事例ではありません。

そこで以下で具体的なソフトウェアの事例をもとに紹介します。

医療機器の該当・非該当の事例

医療機器の該当・非該当の事例は、以下の3つの資料が参考になります。

1. セルフケアアプリの資料

2. 健康観察アプリのウェブページ

3. 医療機器プログラム事例データベース

上記は、厚労省を含む当局に関連する組織で作成された資料です。

したがって個人の判断に依らない信頼性の高い資料として紹介します。

ただし当サイトはあくまで情報をまとめているだけであり、100%医療機器の該当・非該当を保証するものではありませんので、ご了承ください。

参考資料1. セルフケアアプリの資料

本ガイドブックではセルフケアを支える機器について、いくつかの事例を掲載している。

引用元:[ガイドブック]セルフケアを支える機器・ソフトウェア開発の基礎知識 R2年度版 | 医療機器等開発ガイドライン

上記の資料を参考にし、一部編集を加えて、以下の表を作成した。

機器・ソフトウェアの目的 非医療機器 医療機器
個人による健康チェック とっさの育児
測定(健康モニタリング/兆候検出) ASTRIM FIT
リリアムスポット
Appleの心電図アプリケーション
医用画像解析ソフトウェア EIRL aneurysm
介入(健康増進/疾病治療) カロママプラス CureApp SC

医療機器である製品は、添付文書等で使用方法等を確認できます。以下にリンクを貼っておきます。

  • Appleの心電図アプリケーション
  • 医用画像解析ソフトウェア EIRL aneurysm
  • CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー
  • 添付文書は医療機器では情報提供の文書として作成が必須です。

    参考資料2. 健康観察アプリ

    日々の健康状態の把握の一助となるよう、本ページでは民間事業者等が開発・提供している健康観察アプリをご紹介します。

    引用元:新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ 健康観察アプリ|内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室

    健康観察アプリの活用は政府の基本的対処方針(令和3年5月28日変更)にも位置づけられており、健康観察アプリの例が上記のリンクで紹介されています。

    2021年6月21日時点で、健康観察CHAT(富士通株式会社)の製品が掲載されており、この製品は明言されておりませんが、医療機器非該当のソフトウェアであると考えられます。

    理由は、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室が管理しているページであること、健康観察CHATの製品ページにて医療機器承認番号or認証番号が記載されていないからです。

    参考資料3. 医療機器プログラム事例データベース

    医療機器プログラムの該当性について
    医療機器プログラムへの該当性判断に係る明確化・精緻化のために、プログラム医療機器事例データベースを公表いたします。

    引用元:医療機器プログラムについて|厚生労働省
    薬生機審発 0331 第1号 薬生監麻発 0331 第 15 号 令和3年3月 3 1 日

    上記のリンク内に「医療機器プログラム事例データベース(令和X年Y月Z日更新)」のリンクがあり、そこから医療機器プログラムの該当性判断の結果が記載されています。

    本ページでは、令和3年6月28日更新の内容をもとに以下の表を作成しました。

    番号 対象プログラム 使用者 製品概要 判断ポイント 通知の事例番号 医療機器該当性
    1 安否確認プログラム 健常人 非接触型センサーを用いて、バイタルサインを確認し、サービス提供者に安否連絡を行う。 疾病の診断・予防を行うものではなく、生存確認・異常確認のためだけに使用するプログラムである。 非該当
    2 糖尿病を伴う複数疾患を有する高齢者に対する栄養療法支援アプリ 医療従事者 糖尿病を伴う複数疾患を有した高齢者に対する栄養療法のため、推奨される指導方針を提案する治療プログラム。 ・糖尿病を伴う複数疾患を有した患者に対する栄養療法のため、食事療法に関する最適なデータを算出し、推奨される指導方針を提案する治療プログラムである。
    ・データ算出や提示する結果で治療方針が大きく異なるなど、患者へのリスクがあるプログラムである。
    (1)2) 該当
    3 ウェアラブル製品 健常人 ・アプリ対応により心電図、血圧の測定を可能にする。
    ・心電図:電極センサーで心電図信号を測定し、心房細動の有無を判断する。心房細動以外の不整脈は確認できない。
    ・血圧:光学センサーにより、血圧と脈拍を測定、管理する。
    心電図や血圧を計測し、疾病の有無を判断する。 該当
    3 パーキンソン病症状管理支援プログラム 医療従事者 ・パーキンソン病患者に対し、医療従事者が治療方針を決定する際の参考情報を提供するプログラム。
    ・質問に対する回答を点数化し、医師への助言を提示する。
    クラスⅠ相当の医療機器プログラムである。 非該当
    4 健康管理用プログラム 患者 糖尿病患者が入力又は複数デバイスから転送された血糖値や体重、血圧等をデータ管理し、個人の記録管理用として表示、保管、グラフ化するプログラム。 データの記録及び管理が目的であり、疾病の診断または評価をしない。 (2) 7) ② 非該当
    5 糖尿病管理プログラム
    ①患者用(モバイルアプリ/ウェブアプリ)
    ②医療従事者(ウェブアプリ)
    ①患者
    ②医療従事者
    ①糖尿病患者の日常的な健康管理を目的とし、血糖測定器等から得られたデータや、それらを一般的な統計処理することにより得られるデータを提示する。(いずれも治療、診断に寄与しない)
    ②血糖測定器等から得られたデータを基に、糖尿病治療の効果の分析及び評価を支援するプログラム。①にはない機能として、血糖変動指標等、公知のガイドラインに定められたものではない新たな指標の提示を行う。
    ①日常の健康管理を目的に、医療機器から得られたデータを一般的な統計処理により提示するものである。
    ②医療機器から得られたデータをソフトウエアが独自に処理し、治療効果等の評価に寄与する新たな指標を提示するものである。同機能をもつ既存の医療機器プログラムが存在する。(糖尿病診断補助プログラム)
    ①(2)1)2)7)
    ②(1)1)
    ①非該当
    ②該当
    6 手術患者の退院後における自宅セルフケアをサポートするアプリ 患者はアプリ利用、患者が入力したデータは医師・看護師が閲覧可能 ・患者の周術期の不安を解消して、安心して術後回復できるための支援を行う。

    ・患者に向けた一般的な医療情報のコンテンツ配信
    ・患者のバイタルや創部、患者報告アウトカムの記録・管理(グラフ表示/単一バイタル値による表示変化) 
    ・患者に向けた一般的な指導レベルのタスクリストの作成(運動指導、栄養指導、日常生活全般の指導)

    ・個人の記録管理を目的にデータの表示、保管、グラフ化を行うプログラムである。
    ・公知の医療情報および生活習慣改善に関する情報を提示するプログラムである。
    (2)7)②⑩ 非該当
    7 バイタル情報(SpO2)共有アプリ 個人
    医療従事者
    ・個人の情報端末機器に専用のアプリケーションをインストールし、別の医療機器で測定した酸素飽和度、拍動数、歩数、消費カロリーのデータを加工・処理せず情報端末機器へ記録、グラフ化する。
    ・必要に応じてデータをメール、SNSなどに転送することができる。
    個人情報を転送・表示・保管するのみのプログラムである。 非該当
    8 新型コロナウイルス重症化予後予測アプリ 医療従事者 ・新型コロナウイルス感染者に対して、陽性者が重症化する確率を提示するアプリケーション。
    ・本アプリによって患者の重症度を層別化し、適切な治療介入を行う。
    疾病の重症度を判定し、最適な治療介入に寄与するプログラムである。 該当
    9 マスク密閉性確認アプリ 医療従事者 Bluetoothにより接続した睡眠時無呼吸の治療器(CPAP装置)に関して、患者に対するマスクの密閉性を確認する。 医療機器のメンテナンスに使用するものである。 非該当
    非該当

    上記の内容は、令和3年6月28日以降に更新されている可能性があるため、最新版は上記リンクにてご確認ください。

    まとめ

    ここまで医療機器プログラムの該当性の基準や事例についてお伝えしてきました。

    以下であらためて、このページの内容をまとめます。

    ・医療機器プログラムの該当性判断の基準はガイドラインで示されている

    ・医療機器プログラムの事例は厚労省ウェブページなどが参考になる

    このページでは医療機器プログラムの該当性判断に関する基準や事例をまとめました。

    しかしながら、医療機器プログラムの該当性判断は企業ごとに自社の製品特性をもとに判断行い、厚労省やPMDAなどの当局に説明しなくてはなりません。

    医療機器プログラムの該当性判断の手順は以下のページに詳しく記載しています。

    医療機器プログラムの該当性判断|基本知識から開発戦略まで解説
    医療機器プログラムの該当性判断|基本知識から開発戦略まで解説

    なお当サイトの運営メンバーは、これまで医療機器プログラムを開発した経験があり、該当性に関してもご支援可能です。

    もしソフトウェアの医療機器該当性について相談したいことがあれば、以下の問い合わせページからご相談ください。

    ソフトウェアの医療機器に関するお問い合わせ
    ソフトウェアの医療機器に関するお問い合わせ

    Filed Under: 医療機器プログラムの薬事手続き

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